2007年07月25日

◆マイメディア社会 

ヒット商品応援団日記No187(毎週2回更新)  2007.7.25.

世界中に発信されているブログの数は7000万以上、その内37%が日本語のブログで英語圏を抜いてNO1に戻ったと報じられた。(http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20346610,00.htm)私もブログを書き始めて2年近くになるが、ブログの存在を知り自分でもやってみたいと思ったのが3年ほど前で、当時のブログ数は40万程度であったと思う。そして、マーケティングのブログなど誰も見ないであろうと言われたことを覚えている。昨年秋1000万というブログ数を超え、誰もが無視できないメディアとなった。簡単に自分のメディアが持てるという快感と共に、インターネット上に膨大な知の宝物が存在していることを知り、ブログ数を加速させている。

私がインターネットの世界に興味を持ったのは、なんといってもGoogleの出現であった。日本語版のタイムでその存在を知り、友人と共に自社名を入力し検索したことを覚えている。その同じタイムに昨年12月YouTubeが大きく取り上げられた。昨年10月このYouTubeをGoogleが2000億円近くで買収した時、日本のマスメディアは著作権等の法的障害を持つメディア買収だと批判的であった。しかし、今米国の大統領選挙/民主党では、このYouTubeを使った選挙が進んでいる。文字と映像、この2つの情報をマイメディアとして、一人ひとりが持つことが可能となった。しかも、最近ではタグを自由につけることが可能となり、マイメディアは不特定多数無限大のネット空間にあって、自在に特定の世界を泳ぐことが可能となった。ブログは個人新聞社となり、YouTubeは個人放送局となった。

こうした多様で膨大なメディア・情報の中から、Googleという検索エンジンによって瞬時に特定情報の世界へとたどり着く。しかし、最終的には自ら特定の情報を選択する訳である。ある意味、選択という直感によって情報を選ぶのだが、検索エンジンが日々賢く成長していくのと同時に、私たちの側も直感力を磨いていくこととなる。
今回私は「人力経営」という本を書いたが、これもまた一つのマイメディアだと思っている。ブログと本、似ているようだが、私にとって異なるメディアとの認識だ。ブログはその時々に起こるニュースや出来事に触発されて書くメディアでフローであり、別な言葉で言うと小売業的である。一方、本は思考を一点(テーマ)に固定・凝縮させて書くメディアでストックであり、メーカー的である。
ところでネット上には2600万もの日本語ブログがひしめき合っているが、こうしたマイメディア社会の中から、新しい表現者が生まれてくる。既に若いアニメ作家がネット上を舞台に活躍し、その評価を受けてリアル世界の広告などに出現している。ネット世界は良き修行の場となり、リアル世界へのインキュベーション装置となっている。私の友人の一人である地方紙の記者は私と会う度に「これから先、新聞は存続するだろうか」と聞く。私は、既に生活者のライフスタイルとして、ネット世界(バーチャル)と現実世界(リアル)とを行ったり来たりしている。既存のメディアもその境界意識をなくし、「行ったり来たり」を仕組み化する時代に来ていると答えている。つまり、一人ひとりがアーチストになり、ジャーナリストになり、研究者になり、・・・・その技術的専門的レベルを除外すれば、全てが表現者となった時代は、既存メディアもその表現の「場」を解放していかざるを得ないであろう。(続く)

「人力経営」の一般書店でのお求めですが、紀伊国屋書店さんが力を入れていただいており全国22店で取り扱っています。http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/443410800X.html


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Posted by ヒット商品応援団 at 15:42│Comments(0)新市場創造
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