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2007年07月15日

◆「予」の市場

ヒット商品応援団日記No184(毎週2回更新)  2007.7.15.

このブログを書きながら台風4号の動きについてTVの天気予報を見ている。好きな沖縄に先日行って来たばかりということもあるが、行けば必ず立ち寄る糸満公設市場にあるnaminamiというコミュニティカフェのメンバーはどうであったか心配である。丁度、そんな時沖縄のコミュニティブログ「ティーダ」から、台風による欠航から多くの旅行者が立ち往生しており、宿泊ボランティア要請の情報が流れてきた。台風や地震といった災害予防のための情報精度はどんどん良くなり、そのためのボランティアネットワークなどが瞬時に組まれる時代だ。少し前に、コンビニにふれて、気温が2〜3度違う事で売れる商品が変わると書いたが、予報、予知、予防、予測、予想といった一つの情報に依って、あらゆるものや出来事が動く「予」の時代になっている。

しかし、「予」という情報は過剰なまでに流されており、私のブログにも情報精度とは、あるいは情報のねつ造といったキーワード検索で多くの人が訪問している。1990年代後半、多くの経済評論家やコンサルタントの未来予測はことごとく外れたという経験を持つ。関西テレビの「発掘!あるある大辞典」の時にも書いたが、過剰な情報は生活者に多くの学習体験を促し、何が正しいのか直感的判断へと向かわせている。この学習体験はマスメディアによるものから、口コミ、最近ではSNSといったネット上のコミュニティにまで及び始めている。私のブログにも自動的にトラックバックするいわゆるトラックバックスパムが数多くつけられているが、公開している以上、面倒がらずに出来る限り問題あるものは削除している。つまり、あらゆるところに真偽混濁したコマーシャルベースの情報が浸透しているということだ。
ところでこうした情報学習を踏まえた直感力、研ぎすまされた感性人間が増加していると思う。この時代のマーケティングを、共感のマーケティングとか、感動のマーケティングと呼んでいる。もっと若い世代の言葉でいうと、センスということになる。ああ、これいいじゃん〜。かっこいいじゃん、という美的感覚、感性世界という情報を感じ取る「感」マーケティングの世界だ。

ところで、変化の時代とは次から次へと新たなモノや出来事が押し寄せる時代だ。つまり、未来はわからない、だから「予」という市場は変化に対する不安を背景に増々広がっていく。少子高齢社会で言えば、予防医療ということになる。先日、今日の快眠市場を創って来た一人である大手枕メーカーの方と会って来た。認知症や転倒予防のための快眠方法を広く進めていきたいと話されていた。眠りの質を高めるために「福寿体操」と「軽い昼寝」を組み合わせて不眠を解決し、認知症や転倒を防ぐ予防方法である。「福寿体操」は長寿県沖縄の睡眠健康教室で開発された軽い運動である。また、ビジネスマンにとっても実は良いとされている短い昼寝・シェスタ(スペインやポルトガルでは社会習慣化されている)を組み合わせた方法である。こうした眠りの質的改善からも高齢者の予防医療に役立てたいという話であった。ある意味で東洋漢方における「未病」と同じ考え方だ。

快眠以外の食の世界でもこうした試みは始まっているし、高齢者ばかりか小学校低学年の子供達への様々な「予」市場が広がっている。今は、犯罪に対するセキュリティといった商品やサービスだけであるが、健康への「予」市場は大きくなっていくと思う。旧来の考え方からすると、まだ生命力溢れる子供達には必要とされないであろう多くの「予」に関する商品やサービスがこれから生まれてくるということだ。ただ、こうした新市場は、未経験市場であり、「予」という情報が偽装、ねつ造されないことを願いたい。(続く)

「人力経営」の一般書店でのお求めは紀伊国屋書店さんが力を入れていただいており全国22店で取り扱っています。http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/443410800X.html
  


Posted by ヒット商品応援団 at 13:19Comments(0)新市場創造