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2006年08月02日

◆新たな時間帯市場/賞時間と省時間

ヒット商品応援団日記No86(毎週2回更新)  2006.8.2.

この20数年で劇的に変わったのが「時間」である。時間がもっている意味が大きく変化した第一は「高速化」「スピードアップ」である。特に、ここ10年はITをはじめとしたデジタル技術の導入により、全ての時間概念が変わった。従来数時間かかっていたものが、30分になり、さらにはスイッチ一つで瞬時に得られる世界が現出した。こうした劇的変化は「労働」」の中身を変え、「生活」のあり方を変えてきた。ライフスタイル変化の最大要因は時間である。地球上の隅々、空間的な広がりばかりか、情報的な広がりを手に入れることが可能になった。労働で言えば、生産性の向上であり、無時間化であり、凝縮した時間労働となった。いわゆる労働の質的変化である。工場という生産現場ですら、ベルトコンベアーのような作業は少なくなり、逆に更に生産性を上げるためのアイディアなど精神労働が求められるようになった。トヨタを始めユニークな経営で知られている未来工業などはその代表であろう。しかし、こうした凝縮したスピードによる仕事時間=社会時間と、家に帰り「私」の時間との間でスムーズな切り替えが難しくなってきている。モードチェンジがうまくいかない、身体的な表現でいうと交感神経からリラックスした副交感神経への移行が難しくなってきているということである。社会人、特に働く女性の不眠の原因はここにあると言われている。美容を兼ねたモードチェンジのためのバスルーム商品や枕をはじめとした快眠商品がヒット商品になった。そして、不眠でいうと、私が実施した100サンプルほどの調査ではあるが、シニアの半数が不眠で悩まされている。シニアの場合は、老いという機能低下によるものと言われているが体内時計の機能低下によるものである。100%解決商品ではないが、特殊な「光」を駆使した商品が既に出来上がっているが高価格のため普及していない。極めて残念なことである。
ところでこうした高速時間とライフスタイルという視点で見ていくといくつかの着眼が見えてくる。最近のデータを確認している訳ではないが、ここ十数年の比較をすると従来の生活行動時間と比較し、朝と深夜に様々な新しい行動をとっていることが分かる。TVの視聴率も深夜帯で高くなっており、早朝での英会話などの個人レッスンが盛んになっている。つまり、働く時間月ー金には早朝と深夜に新たな市場が生まれてきているということである。眠りの時間は戦後どんどん少なくなり今や1時間ほど睡眠時間は減少している。にもかかわらず早朝と深夜に多くのやりたいことに時間がさかれている。今、LOHASを含めスローライフがいわれているのもこうした背景からである。凝縮した時間から、振り子は緩やかな時間へと振れてきている。私流のことばでいうと、「省時間」から「賞時間」への変化である。賞時間、つまり私にとって「とっておきの時間」「一番大切な時間」という認識への変化ということになる。私が好きな沖縄では、この賞時間を「うちな〜タイム」「沖縄時間」と呼んでいる。沖縄ではいわゆる自然時間、朝日に目覚め、日暮れとともに眠る、といった自然に寄り添うように過ごす時間である。さて、都市生活者にとっての賞時間はどうなっているであろうか?これは推測の域を出ていないが、月ー金=社会時間(高速時間)=省時間と、土日=自由時間(自然時間)=賞時間のように整理できると思う。早朝、深夜も賞時間に入るであろう。なぜこうした整理をしたかというと、省時間帯ではいわゆるファーストフードではないが簡単、ワンアクション、一度で全てがまかなえる、これで十分、といったスピード優先の商品やサービスとなる。一方、賞時間帯では、時間を楽しむといった、お気に入りの、時間を気にしないでできる、手間をかける、手作り、といったお気に入り優先の商品やサービスとなる。ある意味で2つの時間を使い分けているのが都市生活者と言えよう。小売業にとって、時間帯顧客(時間帯によって顧客属性などが変わる)という考え方は原則となっている。CVSはどこでも実施しているが、私が知っているアパレルファッションの専門店ですら、1日の時間帯によって店頭のMDを変えている。さて、あと数年で365日24時間自由時間となる団塊世代という巨大マーケットに対し、小売業もメーカーも「時間着眼」という視点でマーチャンダイジングしていない。つまり、どんな生活時間割となるか分からないからだ。団塊世代にとっての賞時間とは何か、省時間とは何か、今後の大きな課題となる。団塊世代の最大マーケットである「旅」に関して言えば、時間が自由になることからANAの「旅割」ではないが運賃の安い時間帯フライトを駆使するであろう。ゴルフで言えば、安い月ー金にプレイするであろう。つまり、従来アイドルタイムと言われていた時間帯に新たな市場機会が生まれるということである。発想を変えなければならない。交通機関やホテル、レジャー施設ばかりでなく、生活のあらゆるところである。団塊世代にとってほとんどの時間が賞時間となるのだ。そして、地球上のさまざまな路地裏を目指す旅人になる。(続く)  


Posted by ヒット商品応援団 at 13:50Comments(0)新市場創造